ATSの概要
ATS(自動列車停止装置)は運転保安設備の一種である。ATSは列車が停止現示を冒進(赤信号無視)したときや冒進しそうな際、または列車の速度が許容された速度を上回った際に、運転士に対し警告したり、列車を自動的に緊急停止させたり、許容速度まで自動的に減速させたりする機能がある。但し、装置の種類によって機能が大きく異なる。

ATS分類図


A形車内警報装置 
     ┗ ATS-A形 (初期型)

B形車内警報装置 
     ┗ ATS-B形 (初期型)

C形車内警報装置 
 ┗ S形車内警報装置
     ┗ ATS-S形 (初期型)
         ┃
         ┣ 関西本線型ATS-P (P型)
         ┃
         ┣ H形ATS (P型)
         ┃  ┗ ATS-P形 (P型)
         ┃       │┣ ATS-PN形 (P型)
         ┃       │┗ ATS-PF形 (P型)
         ┃       │
         ┃       └── ATS-Ps形 (P型)
         ┃          ┌─┘
         ┃          │
         ┗━━━ ATS-Sn形 (Sx型)
         │       ┃│┗ ATS-SN形 (Sx型)
         │       ┃│
         │       ┃└── ATS-Sn´形 (Sx/ST型)
         │       ┃    ┌─┘
         │       ┃    │
         │       ┗ ATS-ST形 (Sx/ST型)
         │       │  │┣ ATS-SW形 (Sx/ST型)
         │       │  │┣ ATS-SS形 (Sx/ST型)
         │       │  │┗ ATS-SK形 (Sx/ST型)
         │       │  │
         └───────── ATS-SF形 (初期/Sx/ST型)

 

ATS INDEX

ATSATS/系譜
 初期型ATSATS-A形ATS-B形ATS-S形
改良型ATS総称ATS-Sx型 (改良型ATSの総称)
地上速照型ATS-Sn形ATS-SN形
車上速照型ATS-ST型 (車上速照タイプの改良形ATSの総称)
ATS-ST形ATS-SW形ATS-SS形ATS-SK形
ATS-SF形ATS-Sn´形
P型ATS基本解説ATS-P
形式解説H形ATS
ATS-P形ATS-PN形ATS-Ps形ATS-PT形
概要ATS-P/概論ATS-P/名称
全線P型と拠点P型P型の速度照査の現状
各社のATSJRJR北海道JR東日本JR東海
JR西日本JR四国JR九州JR貨物
 

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以下 準備中

ATSの歴史/国鉄・JR

ここでは地上子方式の国鉄・JRのATSの発展経過と速度照査について記載する。

戦争と闘うATS ・ 空襲に負けた戦前型ATS

見落しと闘うATS ・ 車内警報装置で注意喚起

正面・側面衝突や追突を防止するため、対策が必要となった。信号現示を守ることでこれらは防止出来たが、信号を見落とす例が後を絶たなかった。このため、停止現示を冒進(赤信号無視)した際に警報を出す車内警報装置が導入された。警報が鳴れば運転士は停止現示に気付き、事故は無くなる筈だった。しかし事故は無くならなかった。

居眠りと闘うATS ・ 警報鳴るも事故は消えず

警報が鳴ることにより事故は減少したが、それでも事故は発生した。過労で居眠りする運転士に対しては警報装置は有効ではなかった。また国鉄時代の事情として、労動組合が過度に強力となり職場が荒廃し、運転士が飲酒して業務に就くことが常習化しており、泥酔して居眠りする運転士に対しても警報装置は有効ではなかった。このため強制的に列車を停止させる自動列車停止装置(ATS)が開発され、1966(昭和41)年までに国鉄全線に整備された。大半の路線にはATS-S形が設置された。
ATS-S形では停止現示(赤信号)の約600m手前(厳密には警報5秒分の過走距離他が考慮される)で警報を出し、5秒以内に確認ボタンを押さないと自動的に非常ブレーキが動作する。これにより、運転士が居眠りしていれば確認ボタンを押せず、列車は強制停止し事故は無くなる筈だった。しかし事故は無くならなかった。

勘違いと闘うATS ・ 確認ボタン付くも事故は消えず

ATS-S形では警報後5秒以内に確認ボタンを押すと、あとは停止現示を冒進しても自動的に非常ブレーキが動作しない。このため、確認ボタンを押した後600m走るうちに他のことに気を取られてしまい、停止現示を冒進するケースが後を絶たなかった。またシステム上、運転士がミスを犯さなくても頻繁に警報が出るようになっており、運転士は警報に慣れ過ぎ、警報が鳴っても危険を感じないようになり、注意力不足を招いた。警報が出たのち、列車は停止現示の信号機直前まで低速で進行するが、運転士の注意不足で停止現示を冒進(赤信号無視)し、先行列車に追突するケースが後を絶たなかった。また、ダイヤ維持のため意図的に停止現示を冒進し、目視注意で先行列車に接近するケースも往々にしてあった。
1967(昭和42)年8月8日には、在日米軍への航空燃料輸送列車と石灰石輸送列車が衝突する新宿駅タンク車衝突炎上事故が発生した。場内信号機手前の警報地点(ロング地上子)で警報を受けた運転士が確認ボタンを押したが、その後の注意力不足が原因であった。対策として場内信号機直下に地上子が設置されることになったが、これは警報を出す機能だけのもので、強制停止機能は無かった。

速度と闘うATS ・ なおも居眠り事故は消えず

ATS-S形では停止現示(赤信号)の場合は一定の効果があったが、進行現示(青信号)の速度制限、即ち分岐器や曲線での速度超過に対しては全く無防備であった。1968(昭和43)年6月27日に東海道本線膳所駅で貨物列車が分岐器の速度制限を超過し脱線転覆、さらに対向の貨物列車が衝突した。原因は運転士の居眠り(過労か?)であった。速度超過に対してはATS-S形は勘違いだけでなく、居眠りによる事故を防げないことが表面化した。
ATSは当初、正面衝突や追突を防ぐ目的で導入されたが、

費用と闘うATS ・ P型開発されど普及進まず古いS形でお茶濁す

焦りと闘うATS ・ 強制停止機能付くも事故は消えず


Last-modified: 2006-10-10 (火) (6406d)