全線P型や拠点P型とはATS-Pの一種ですが、正式名称は不明です。一般的にJR西日本の拠点P方式ATS-P形を全線P方式ATS-P形と区別して拠点P型と呼称されていますが、設置方式の違いは大きいものの装置そのものに基本的な違いは無いようです。また、当サイトではATS-Ps形も拠点P型として扱いますが、拠点P方式ATS-P形とATS-Ps形では機能が大きく異なるため注意が必要です。
本ページでは拠点P型を説明するため、全線P型についても合わせて記載します。
全線P型 †
P型ATSグループのうち、全線P方式(閉塞信号機に対する速度照査設備を線区全体に設ける方式)で設置しているものを全線P型と呼ぶ。全線P型には次のものがある。
全線P方式ATS-P形 †
- 最初の全線P方式ATS-P形はJR東日本の京葉線に設置され、同線の開業とともに1988年に運用を開始した。全線Pや全面Pといった呼称は、のちにJR西日本がATS-P形を拠点P方式で設置したためにこれと区別するために普及したと思われる。ただし、拠点P方式は1986年に全線P方式より2年早く運用を開始している点は注意を要する。JR東日本だけでなくJR西日本にも全線P方式を導入した線区がある。
- 2006年現在、これに該当するものは以下のとおりである。
拠点P型 †
P型ATSグループのうち、拠点P方式(閉塞信号機に対する速度照査設備を基本的に省略してP型ATSを設置する方式)で設置しているものを拠点P型と呼ぶ。拠点P型には次のものがある。
拠点P方式ATS-P形 †
- 拠点P方式のATS-P形を整備しているのはJR西日本のみである。国鉄時代の1986年に草津・京都・大阪・西明石の4駅に設置され運用を開始したが極めて限定的な運用であった。JR西日本となった後にJR東日本のものと同様の全線P方式ATS-P形を導入したが、その後閉塞信号機に対する速度照査機能を省略した拠点P方式ATS-P形の導入を進めた。一般的に拠点P型と呼称する際は、これを指すことが多い。
- 絶対信号機に対する速度照査は全ての駅で実施しており、閉塞信号機に対する運転保安は併設のATS-SW形により行なっている。このため、最高速度(最高運転速度速照を実施していれば路線最高速度、していなければ130km/h以上)で先行列車に追突する危険性をシステム上排除し得ない。詳細は福知山線は安全になったか? を参照のこと。
- 2006年現在、これに該当するものは以下のとおりである。
- ATS-Ps形を導入しているのはJR東日本のみであり、その全てが拠点P方式である。現在のところ絶対信号機に対する速度照査は全ての駅で実施しているが、今後は一部の駅でのみ行なう方法で整備を進める予定である。
- 閉塞信号機に対する運転保安は併設のATS-Sn形により行なっている。このため、ATS-P形の拠点P型と同様に、最高速度(最高運転速度速照を実施していれば路線最高速度、していなければ130km/h以上)で先行列車に追突する危険性をシステム上排除し得ない。詳細は福知山線は安全になったか? を参照のこと。
- 併設のATSがATS-Sn形であることから、速照地点を増設するには地上時素方式の速度照査設備を増設する必要がある。このため、分岐器や曲線での速度照査地点の増設は容易ではない。
- 2006年現在、これに該当するものは以下のとおりである。
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