2017年04月

04月25日 急カーブ化工事の認可文書、JR社長の刑事裁判中に廃棄か!?

事故から12年、廃棄文書のリストを入手

  • 尼崎事故の発生から12年が経過しました。文書保存期限の壁と国土交通省の嫌がらせ的対応により、もう新しい文書の発掘は難しいと思っていましたが、昨年6月に興味深い文書を入手しました。
  • この文書の3枚目から20枚目は、「文書作成時に於いて未来の平成22年11月18日」 に廃棄する予定の行政文書ファイルのリストであり、重要なのは、4枚目の7行目と8行目の 「平成3年鉄道施設変更・工事計画変更認可」 と記載された部分です。
    このファイルには 「尼崎事故の事故現場のカーブを、緩いカーブから急カーブに変更するための認可に係る文書」 が収められていました。
     
      近畿運輸局鉄道部技術課が平成22年10月21日付で決裁した「近運鉄技第151号 文書管理規則に基づく保存期限経過文書の廃棄について」より
      行政文書ファイル 「平成3年鉄道施設変更・工事計画変更認可」 が記載された部分
     

急カーブ化工事と認可

  • 尼崎事故の事故現場は半径304mの急カーブですが、以前はもっと緩いカーブでした。しかし、1997年 (平成9年) 3月8日に開業するJR東西線と福知山線を直通運転させる必要性により、半径を600mから304mへ変更する急カーブ化工事が1996年 (平成8年) 12月に実施されました。この工事は、運輸省の認可を必要とするものでした。
  • 国土交通省は今月 (2017年4月)、『廃棄済なので認可文書の名称は判明しなかったが、JR西日本への聞き取り等により、平成3年頃に認可手続が行われたことを確認した。これにより、急カーブ化工事の認可文書は行政文書ファイル 「平成3年鉄道施設変更・工事計画変更認可」 に収められていたと推定される。』 旨を情報公開審査会 (情報公開・個人情報保護審査会) に対して説明しています。
    実際の付け替え工事が平成8年12月ですから、その5年ほど前に認可手続きが行われたことになりますが、鉄道の工事には長期間を要する (場合によっては土地買収も必要) ことを考えれば、この点については特に不自然さは感じられません。
     

山崎社長の刑事裁判中に急カーブ化認可文書を廃棄

  • 山崎氏は平成21年7月8日に起訴され、平成24年1月11日に無罪判決が出されました (神戸地検は控訴せず1月26日に無罪確定)。情報公開審査会に対する国土交通省の説明が正しければ、山崎社長の刑事裁判の最中である平成22年10月21日に、急カーブ化認可文書を収めたファイル 「平成3年鉄道施設変更・工事計画変更認可」 の廃棄が決裁されたことになります。
  • 認可手続をした平成3年当時に、山崎氏がどういう立場であったかは分かりませんが、工事は認可のとおり実施しないといけないので、「平成8年12月当時に急カーブ化工事を実施した責任者が、平成3年当時の認可手続の内容を知らない」 ということは許されません。そうすると急カーブ化認可文書は、「山崎氏がどれだけのことを知り得ていたのか」 を記した証拠の一つということになりはしないでしょうか。
    場合によっては、「認可文書により山崎氏がどれだけのことを知り得なかったのか」 を証することになるかも知りませんが 、無実を示す文書だって立派な証拠文書です。近畿運輸局はなぜ、このような重要文書を刑事裁判の最中に廃棄してしまったのでしょうか。
     

歴代社長3人は現在も裁判中

  • また、JR西日本の3人の元社長 (第2代〜第4代社長) は最高裁に上告され、現在も刑事裁判が終わっていません。この3人はATSや急カーブ化工事の詳細な情報を知らなかったとされていますが、急カーブ化認可文書と全く無関係と言い切れるのでしょうか。
  • 歴代社長3人は、神戸地検が不起訴としたあと、検察審査会の議決に基づき、指定弁護士により2010年 (平成22年) 4月23日付で強制起訴されています。当然にその事実を近畿運輸局は知っている筈ですが、なのになぜ、強制起訴の半年後に認可文書を廃棄してしまったのでしょうか。
     

神戸地検や弁護士は入手していなかったのか?

  • いくら役所がしらばっくれて 「重要文書ではないので、普通の文書と同様に規則どおりに廃棄しますよ」 と言い張ろうとしても、刑事裁判の対象となったら、その文書は簡単には廃棄できません。
    警察や検察に文書を差し押さえられたら、当然に廃棄はできません。差し押さえではなく、捜査協力として写し (コピー) の提出を求められた場合でも、その文書の管理には特別な配慮がされるでしょう。「コピーを提出してもらった文書が、どうやら重要な証拠となるらしいので、裁判所に提出するため差し押さえます」 と捜査機関に言われたとき、あれは捨ててしまったでは済まないでしょう。
  • そうすると、「山崎氏を含む、JR西日本の4人の歴代社長が刑事裁判の最中だった平成22年10月21日に、近畿運輸局が認可文書の廃棄を決裁した」 ということは、「警察、検察、強制起訴をした指定弁護士、被告社長を弁護する弁護士」 のいずれの司法関係者も、急カーブ化認可文書を入手していなかったのではないかと考えられます。
  • 4人の社長の刑事裁判に係わった司法関係者らは、なぜ認可文書を入手しようとしなかったのでしょうか。警察や検察の捜査は、世間や事故被害者・遺族に対する 「仕事やってますポーズ」 に過ぎなかったのでしょうか、それとも司法関係者の常識として急カーブ化認可文書は裁判上重要ではない (つまり、認可文書を重要と捉えている当管理人は間違っている) ということでしょうか。
    あるいは、既に廃棄されたものと思い込んで入手しようと考えなかったのでしょうか。
     

運輸局保有の認可文書は、鉄道会社保有の認可文書とは異なる

  • JR西日本は、急カーブ化認可文書のうち 「近畿運輸局から交付された認可書 (基本的に1枚のみの文書)、および自身が近畿運輸局へ提出した認可申請書の写し」 を保有しており (捨てていない場合ですが)、司法関係者がこれを入手している可能性はあるかも知れません。
    しかし、認可文書はこれが全てではありません。近畿運輸局が保有する認可に係る文書には、JR西日本が提出した認可申請書のほか、近畿運輸局職員が作成した文書が含まれます。
  • 近畿運輸局鉄道部技術課は、JR西日本より認可申請を受けると、認可すべきか否か判断するため申請書を精査します。この過程で不明な点があればJR西日本に問い合わせ、文書化して課内や部内の職員と情報を共有化します。
    その実例を示すのが、次に示すJR西日本321系電車の 「車両構造装置変更確認」 に係る文書です。
     
      JR西日本321系電車の車両構造装置変更確認申請に係る文書より
     
  • この文書は、JR西日本からの申請を受けて近畿運輸局内部で作成されたもので、申請の要点をまとめたものです。注目して頂きたいのは、「主な変更点」 を記載した部分に、ワープロソフトで作成した部分と手書き部分があることです。
    ワープロソフトで記載された207系からの変更部分 (火災対策、台車の構造、車輪・車軸の寸法、ブレーキシステム) は、JR西日本が提出した申請書にも記載があります。一方で、手書きにて書かれた207系からの変更部分については、JR西日本が提出した申請書には記載がありません。
  • 少々読み辛いですが、手書き部分は次のように記載されています。
    • 新製車両は東海道・山陽線で使用。
    • 福知山線の事故を受け、急遽先頭車両をモーター付のものに変更、(制御車 → 制御電動車) 低重心化。
  • この文書は、「JR西日本が提出した申請書の記載に基いて、近畿運輸局職員がワープロソフトで作成しプリントアウトした。その後、申請を精査するなかで気になる点が出てきたため、JR西日本に問い合わせて得た情報を手書きにより書き込んだ。」 という過程を経て、このような状態になったと考えられます。
    この文書の 「決して長くはない手書き記載部分」 からは、「JR西日本は福知山線事故の直後に於いて、急カーブでの脱線転覆事故のリスクを軽減するには、重心の低い電動車を先頭車両とするべきという安全対策意識をもっていた」 という重要な事実が確認できます。
  • 「鉄道施設変更認可」 と 「車両構造装置変更確認」 という違いはありますが、この種の手続きは同じような過程により精査されると考えられ、急カーブ化認可文書にも近畿運輸局職員が手書きで情報を記載していた可能性があります。また、情報の追加記載は手書きとは限らず、新たにワープロソフトで文書が作成されたり、検討課題が重要事項のときは会議を開いてその議事録が作成される可能性も考えられます。
  • この解説の19ページ目の記載によると、付け替え工事直前の平成8年12月4日に函館本線で貨物列車が速度超過により脱線し、その情報が全国の地方運輸局に通知されて再発防止対策が行われています。
    このときの事故原因が運転士の居眠りだったため、再発防止対策は居眠り防止が中心でしたが、もし函館本線脱線事故の報告により 「直後に行われる予定の福知山線の急カーブ化工事後の安全性」 について近畿運輸局職員が関心を持ち、工事後の急カーブの速度超過対策をどうするのかJR西日本に問い合わせ、その経緯を記載した急カーブ化認可文書を捜査機関が入手していたとすれば、或いは刑事裁判の流れは変わっていたかもしれません。
  • 刑事裁判の最中に捨てられたとされる認可文書には、どのような情報が記載され、あるいは記載されていなかったのでしょうか。今や全てが闇の中、真相は近畿運輸局職員の胸の中に残るのみです。
     

04月25日 321系の先頭電動車化は尼崎事故対策だった

近畿運輸局作成の内部文書により確定

  • 尼崎事故をめぐって、脱線転覆のメカニズムや車両構造等に関する様々な意見が対立しました。ボルスタレス台車や空気バネは急カーブに弱いとかそうではないとか、重心や線路の幅の違いが脱線転覆に大きな影響を与えるとかそうでないとか、軽量ステンレス車体が被害を大きくしたとかそうではないとか。
    その対立の一つが 「先頭車を電動車にすると脱線転覆しにくくなるのか、そうではないのか。321系が尼崎事故の影響で先頭電動車化されたというのは本当なのか、そうではないのか。」 というものでした。
  • Wikipediaでも、321系の記事の現在の版に 「メディア報道では、本系列が両先頭車を電動車としたことを捉え、電動車が付随車に比べて重心が低く転覆し難いという理由により、JR福知山線脱線事故の影響で急遽設計変更したかのように報じる向きもあった」 と記載されており、「メディア報道による情報ソースがあってなお、尼崎事故により321系の先頭車が急遽電動車化されたという話は疑わしい」 という風潮が窺われます。
  • 前記したとおり、321系電車の車両構造装置変更確認手続きに係る近畿運輸局作成の内部文書には、尼崎事故により低重心化のため先頭車を電動車へ急遽変更した旨が記載されており、この点については事実と捉えてよいのではないかと思います。
  • ただ、当方が入手したJR西日本作成の 「車両構造装置変更確認申請書」 には先頭電動車化した後の情報しか記されておらず、変更前は先頭車が2両とも制御付随車 (モーター無しの先頭車) だったのか、或いは一方がもとから制御電動車 (先頭電動車) でもう一方が制御付随車だったのかは分かりません。
    尼崎事故の発生から確認申請書提出まで一週間ほどしかなかったため、大掛かりな変更は出来なかったはずで、たぶんクモハ321 (7号車) はもとから制御電動車で1号車の制御付随車を電動車化してクモハ320に、代わりにモハ320の一両を付随車のサハ321に変更したのではないでしょうか。本来、3号車はモハ321で2号車はモハ320だったのでしょう。
     

1ヶ月も留め置かれた確認申請書

  • JR西日本は車両構造装置変更確認申請書を平成17年5月3日に提出しましたが、近畿運輸局が申請を受付したのは1ヶ月後の6月3日、正式に確認してJR西日本に確認書を交付したのは7月4日でした。
    尼崎事故の発生が平成17年4月25日なので、確認申請書の提出は事故の8日後でした。よく一週間で仕様変更を決定できたものです。もちろん、変更箇所の詳細設計はこの時点では完了していなかったと考えられますが、確認申請書には各車両ごとの重量・ブレーキシステム・ブレーキ率が明記されており、本格的な仕様決定がされています。
  • 確認手続に手間取り生産計画が遅れると車両運用に影響し、廃車予定の車両を延命するため本来必要のない検査をすることになったりします。費用が掛かるだけでなく、他の車両の検査スケジュールにも影響します。また、車両メーカーの生産スケジュールが狂い、下手をすると全然関係の無い鉄道会社への納品が遅れて損害賠償を請求される恐れもあります。
  • JR西日本としては、生産・運用スケジュールへの影響を最小限に抑えたいため、事故から僅か一週間で新型車両の仕様変更を決断したのでしょう。しかし、苦労して提出した確認申請書は近畿運輸局に受付してもらえず、1ヶ月も留め置かれます。申請は直ちに受付するのが原則のため、これは異例の対応でしょう。
    近畿運輸局はこの頃、尼崎事故への対応に忙殺していたでしょうし、また、JR西日本の新型車両には尼崎事故の教訓を踏まえた十分な安全対策を盛り込むため、確認手続きを先送りにしようと考えていたかもしれません。
    スケジュールへの影響を最小限に抑えるため確認手続を急ぎたいJR西日本と、確認申請を1ヶ月も留め置いた近畿運輸局。両者の間にどのような折衝があったのか、入手した文書に具体的な記載はありませんでした。

 
 

2015年04月

04月25日 杜撰な文書管理体制と、違法を厭わぬ秘密主義

事故から10年

  • 尼崎事故の発生から10年が経過しました。月日が経つのは早いものです。世間では10年というのは一つの区切りですが、文書管理の上でも10年というのは大きな区切りで、保存期間10年の大切な行政文書が今後、次々と廃棄されてゆくことになります。
  • 尼崎事故に関する情報収集は細々と続けていますが、国土交通省による酷い対応により、とても調査が困難な状況となっています。そこで已む無く、その酷い対応を乗り越えて文書探しをするために文書管理体制を調べてみたのですが、これがまた酷いものでした。
     

帳簿に掲載されない重要文書

  • 保存期間が1年以上の国土交通省の文書は全て、「行政文書ファイル」 というものに収められた上で文書管理されます。そしてファイルの名称や保存期限は 「行政文書ファイル管理簿」 という帳簿に記載 (登載) され、e-Gov (電子政府の総合窓口) の 「行政文書ファイル管理簿の検索」 のページを通じてインターネットで公開されます。
  • これにより、「自宅にいながらにして、国土交通省の全てのファイルが検索できる」 ということになっている筈・・・なのですが、そうではないことが分かりました。「行政文書ファイル管理簿」 に登載されていないファイルが大量にあることが判明したのです。これは違法な状態ですが、国土交通省はその違法状態を迅速に是正する気は無いようです。
  • それだけではありません。当管理人はそのファイル (もちろんコピーしたもの) を入手することが出来たのですが、あとになって約400枚もの文書が抜け落ちていることが判明しました。その中には、事故発生時の列車の状態等を記録して事故調査等に役立てる 「運転状況記録装置」 の技術基準を検討するための会議の議事録も含まれていました。
  • 文書が隠されていることが判明したのは、全くの偶然です。尼崎事故に関係のありそうな文書を探るため、まず行政文書ファイル管理簿を開示請求し、その中に 「起案簿」 というファイルがあるのを見付けました。そして起案簿を開示請求し、尼崎事故に関係のありそうな名称の通達を見付けて通達番号を指定の上で開示請求したところ、それは 「運転状況記録装置の技術基準に係る文書」 であって、先に開示された 「技術基準省令の改正に係る文書を収めたファイル」 の一部であることが判明したのです。
  • 国土交通省としてもまさかバレるとは思わず、隠し通すつもりだったのでしょうが、通達番号を指定されてはどうしようもなく、渋々と開示したという訳です。通達番号や起案番号などの文書番号は強力な武器で、これを指定出来ればしめたもの。お役人様は知らないとシラを切ることが出来なくなります。逆に言うと、文書番号が特定出来なければ、役所はシラを切りたい放題、文書を隠したい放題ということです。
  • ちなみに、「事故調査のための記録装置」 というと、当管理人なら航空機搭載のボイスレコーダーやフライトレコーダー (いわゆるブラックボックス) を真っ先に思い浮かべますが、運転状況記録装置に係る会議には、鉄道会社が自主的に鉄道車両に搭載していた記録装置の資料のほか、自動車用のドライブレコーダーのパンフレット (数社分) が資料として提示されていました。もし、運転状況記録装置の搭載義務付けがドライブレコーダーの普及以前だったなら、鉄道車両に搭載する記録装置は違ったものになっていたかも知れませんね。
     

特定秘密保護法を順守する気があるのか疑わしい行為

  • さて、昨年 (平成26年) の暮に特定秘密保護法 (特定秘密の保護に関する法律) が施行されましたが、これに先立ち、同法の運用基準が公表されています。同基準には、「特定秘密は情報公開制度による開示請求の対象であって、他の文書と同様の手続きにより開示・不開示の判断がされる」 旨が明示されています。
  • ところがですね、国土交通省では 「訓令で秘密文書とされている文書」 について、「訓令で秘密文書とされている」 という理由だけで不開示を決定しているんですね、これが。しかも文書の特定作業をした様子が全く無く、これではまるで情報公開制度の対象外であるかのような扱いです。仮にこれが正当な取扱いとするなら、防衛省や外務省の特定秘密より 「国土交通省が訓令により秘密文書としている文書」 のほうが機密度が高いということになります。
  • もし、政党や報道機関が特定秘密を開示請求し、文書の特定もせずに 「特定秘密に指定されている」 という理由だけで不開示決定がされたなら、「運用基準が守られていないじゃないか、やはり特定秘密保護法は危険だ!」 と大騒ぎすることでしょう。そういった対応を国土交通省は、特定秘密ですらない 「訓令で秘密文書とされているに過ぎない文書」 に対して行っている訳です。当然に違法性が疑われる行為です。
  • 特定秘密保護法にはメリットとデメリットがあると考えられますが、メリットがあるとしても、それは法令規則を守った運用がされていることが前提です。「訓令で秘密文書とされているに過ぎない文書」 に対して国土交通省が違法な手続きにより不開示決定をしているとすれば、国が本当に法令規則や運用基準を守って特定秘密を扱っているのかどうか、大変に疑わしいことになります。
  • さらに驚くのは、そのような 「違法な手続きが疑われる行為」 について、国土交通省は情報公開・個人情報保護審査会に対して、妥当な行為であると認めるよう求めているということです。その手続きは今年 (平成27年) の3月、つまり特定秘密保護法が施行された後に行われています。「特定秘密保護法の運用基準なんて関係ない、秘密にしたいものは秘密にする」 という横暴な姿勢を、もはや国土交通省は隠そうともしていません。
  • 野党や報道機関も、国土交通省などの国の省庁による、こういった 「違法な情報公開手続きや文書管理 (行政文書ファイル管理簿に重要ファイルを登載しない等)」 の実態から特定秘密保護法を追及すればいいのではないかと思いますが、あいにくと特定秘密以外の一般文書 (訓令で秘密文書とされている文書を含む) が情報公開制度や文書管理制度に於いてどのような扱いを受けているのかについて、野党や報道機関はあまり関心が無いようです。
     

保存期限の壁

  • 国土交通省による殆んど嫌がらせのような対応にもめげず、少しづつでも調査を続けていきたいと思いますが、保存期限の壁だけはクリアしようがありません。嫌がらせを受けている間にも、大切な文書が次々と廃棄されてしまっています。
  • せめて廃棄された文書のリストだけでも入手したいのですが、それについても国土交通省は保有していないとしています。廃棄文書のリストが明らかとなると、どれだけの文書を隠し持っていたのかが明らかとなるため、あちらさんも必死です。
  • 役所に睨まれつつ苦労して地味な調査を続けてどれだけの成果を掴めるのか、尼崎事故の事故原因や事故の謎にどれだけ迫れるのか分かりませんが、次の10年も気力の続く限り調査を続けてゆきたいと思います。

 
 

2014年04月

04月25日 鉄道運転事故等報告書を公開します

事故から9年

  • 尼崎事故の発生から9年が経過しました。今回、JR西日本の鉄道運転事故等報告書を公開することにしました。
     
      JR西日本が近畿運輸局へ提出した平成20年10月2日付の鉄道運転事故等報告書より
    「公衆」 の負傷者 (軽傷者) について記された文書
    JR西日本が近畿運輸局へ提出した平成20年10月2日付の鉄道運転事故等報告書より)
     

運輸安全委員会はJR西日本の事故報告書を取得していないらしい

  • 運輸安全委員会は、『670人目の死傷者である 「公衆」 が存在したことを示す文書』 の保有を否定しました。また、情報公開・個人情報保護審査会は、平成25年5月15日付の答申 「平成25年度 (行情) 答申第27号」 に於いて、当該文書の保有を否定する運輸安全委員会の説明を、妥当であると判断しました。
  • 答申に於いて運輸安全委員会は、「鉄道事故調査に於いて鉄道運転事故等報告書を取得していない」 と説明しており、これは驚きです。この事実は、「鉄道会社が国土交通省と運輸安全委員会に対して異なる報告等をした場合 (つまり、少なくとも一方に対して虚偽報告等をした場合) でも、運輸安全委員会はこれに気付く体制にない」 ということを意味します。
  • 実際に尼崎事故では、JR西日本は国土交通省に対して死傷者は670人であると報告している一方で、運輸安全委員会は669人しか死傷者を把握していません。結果として、「JR西日本は嘘をつきたいホーダイ、運輸安全委員会は鉄道事故の死傷者数さえ正しく把握出来ない無能組織、国土交通省は死傷者数の違いを把握しながら国民や運輸安全委員会に対して隠している隠蔽組織」 という状況がまかり通っています。
  • この国の鉄道事故調査って、こんなことで良いのでしょうか。証拠はありませんが、三者 (国土交通省・運輸安全委員会・JR西日本) が手を組んで事実を闇に葬ろうとしているような気がしてなりません。
    「死傷者数」 という鉄道事故の基本的情報でさえこの有り様なのですから、尼崎事故に関する他の公表情報についても、信用するに値するものであるか疑問です。
  • 答申は、情報公開・個人情報保護審査会の公式サイトで公表されています。答申では 「特定鉄道事故」 と記されていますが、当該事故は尼崎事故のことで間違いありません。

個人調査では限界

  • 670人目の死傷者について調査してきましたが、残念ながら個人の能力では調査の限界のようです。答申で文書の存在が否定された以上、当方の活動でこれ以上の情報を得られる見込みは無く、死傷者数に関する調査については、これが当方の終着駅です。
  • 公開して良いものかどうか迷っていましたが、670人目の死傷者について関心を持って今後に調査する人がいるかも知れないということに期待を込めて、JR西日本が国土交通省 (近畿運輸局) へ提出した鉄道運転事故等報告書を公開することにしました。
    この文書を公開することについて、行政庁や鉄道会社は快く思わないでしょうが、「鉄道事故の死傷者数」 という国民に知らされるべき基本的情報が隠蔽されている現状を鑑みると、止むを得ないと考えます。
  • 一つ不思議なのは、この文書を入手したであろう他の人々は、なぜ死傷者数について問題にしなかったのでしょうか。報道機関、事故の関係者、鉄道事故の研究者、市民組織など文書を入手した可能性のある人々は大勢いますが、670人目の死傷者は、これらの人々にとって触れてはいけない闇だったのでしょうか。それともただ、関心を持つほどのことも無い些事だったのでしょうか。
     

尼崎事故の鉄道運転事故等報告書

  • 平成17年 (2005年) 4月25日に福知山線の塚口駅〜尼崎駅間で発生した脱線事故に係り、JR西日本 (西日本旅客鉄道株式会社) が近畿運輸局へ提出した鉄道運転事故等報告書について、当方が存在を確認しているのは下記の7通です。
  • いずれも近畿運輸局の受付印が押されており、正式な文書であることがご理解頂けるかと思います。提出先は近畿運輸局ですが、7通とも近畿運輸局から国土交通本省へ報告されています。今回公開するのは、別紙等を除いた部分です。
  • 平成18年12月15日以降の4通の報告書には、死傷者数の軽傷者の公衆の欄に 「1人」 と記入されており、平成20年10月2日の報告書には、「付近をご通行中の公衆1名」 と文章にて明記されています。

 
 

2011年 2012年04月

04月25日 最近の調査より

670人目の死傷者、「公衆」 が存在したことを示す文書を発見

  • 尼崎事故に於いて 「公衆」 が負傷したことを示す文書を見つけました。分かる方が見れば分かるとは思いますが、社内文書という訳ではありません。文書を作成したのはJR西日本です。この文書だけでなく、公衆の負傷について記載した文書が複数以上存在することを当管理人は確認しています。
     
      「公衆」 の負傷者 (軽傷者) について記された文書
     
  • 航空・鉄道事故調査委員会 (現・運輸安全委員会) の鉄道事故調査報告書 (平成19年6月28日付) では、乗務員1名を含む死亡者数が107名、負傷者数が562名、死傷者の合計が669名となっています。負傷者数の内訳は、兵庫県警察本部提供の情報では 「重傷者267名・軽傷者295名」、JR西日本提出の資料では 「重傷者361名・軽傷者201名」 と異なりますが、負傷者の合計は双方とも562名です。
  • ところが、今回見つけた文書では、平成19年6月8日時点での調査結果として「死亡者数が107名、重傷者数が361名、軽傷者数が202名」 となっており、合計すると670名。事故調の調査報告書より1名多くなっています。
  • 気になるのは 「公衆」 の分類です。文中の赤線 (当管理人が引いたもの) の一番下の左部分の記載は 「公衆1人」 が存在したことを、その右部分の記載は 「軽傷者の合計が202人」 であることを示しています。公衆以外には 「乗客」、「乗客以外の旅客」、「鉄道係員」 の分類があり、「公衆」 はそれ以外に分類される人ということになります。
    踏切事故では地上側の負傷者が公衆に分類されており、また鉄道施設の工事関係の死亡者 (道床交換作業の重機運転者) が鉄道係員に分類されているケースがあるので、「公衆」 は 「鉄道関係者ではない地上側の人」 を指すと推定されます。
  • 事故調査報告書に公衆の負傷者についての記載はありません。同じく報告書に 「670人目の死傷者・202人目の軽傷者」 の記載は無く、謎の670人目の死傷者に該当するのは 「公衆の軽傷者」 であると捉えて良さそうです。
  • 運輸安全委員会は、「670人目の死傷者」、「202人目の軽傷者」、「事故列車の乗務員・乗客以外の死傷者」 についての情報を保有していないとしています。本当に持っていないのか、或いは本当は持っているけれど隠しているのかは分かりません。どちらが事実であっても、「運輸安全委員会には問題がある」 と言えるでしょう。
  • 念のため記すと、「公衆 (事故列車の乗務員・乗客以外の地上側の人) の負傷者の存在を示す文書」 を発見したのであって、本当に公衆の負傷者が存在したのかどうかは分かりません。また、インターネット上で噂されている 「特定氏名の人物」 や 「上空から撮影されたと思われる映像に写っている、事故車両の外で横たわっている人物」 が、この文書に記された公衆であるのかどうかも不明です。
  • ただ確実なのは、「JR西日本が作成した文書に、平成19年6月8日時点での調査結果として、公衆の軽傷者1名、軽傷者の合計202名、死傷者の合計670名という情報が記されている」 ということであり、そして 「JR西日本の文書に記された死傷者数は事故調査報告書に記された死傷者数より多く、運輸安全委員会は当該情報を保有していないとしている」 ことです。
  • 尼崎事故で何名が死傷したのか、公衆 (地上側) の負傷者が存在するのかしないのか、事故調査報告書を見ても良く分からないというのが、21世紀初頭の日本に於ける私たちの情報環境というのが現実のようです。
     

事故調以前の鉄道事故調査

  • 航空・鉄道事故調査委員会 (運輸安全委員会) の鉄道事故調査も大いに疑問がありますが、事故調設立以前の運輸省の事故調査は、それ以上にアバウトだったようです。
  • なにせ当の国土交通省自身が、「平成13年 (事故調設立年) 以前は鉄道事故の調査や原因究明を運輸省に課す法令は無く、事故を起こした鉄道会社自身が調査して運輸省に届出した時点で事案処理は完了した」 といったようなことを主張するぐらいです。
    簡単に言えば 「運輸省には事故調査の義務は無かったので、何もしなくても届出だけ受け取っていれば問題なかった」 ということで、つまり、平成13年まで日本には、事故の調査や原因究明に責任を負う役所が無かったということです。しかもこれ、公文書での主張ですから面喰らいます。
  • とあるローカル線での列車衝突事故について調べています。事故調設立以前の事故なので最近の事故ではないですが、平成期なので極端に昔の事故という訳でもないです。
  • この事故は、一般的には運転士のミスが事故原因とされており、公的文書でもそうなっていますが、調べてみたところ、本質的には運転士のミスが事故原因とは言えないことが分かりました (その証明は簡単に出来ます)。
  • 日本の航空業界では、「機材トラブルによる航空事故が、パイロットの操縦ミスが原因とされているのではないか」 と指摘されるケースが少なからずありますが、このローカル線での事故の事例から、日本の鉄道業界でも同様のケースがあるのではないかと思うようになりました。
  • この事故では運輸省の専門官2名が事故現場に派遣されており、すぐに本当の事故原因に気付いた筈ですが、結局、運転士のミスということで話が収まってしまいました。
    鉄道会社は運転保安設備や運行ダイヤや職員の配置等について、運輸省への文書提出を義務付けられています。運輸省がこれら文書をチェックして適正に指導等をしていた場合に事故を防ぐことが出来た可能性があるのかどうか、当管理人としては大変に気になりますが、国土交通省は現場に派遣した専門官の文書などを既に廃棄したとしています。
    本当かどうかは分かりませんが、もし本当なら、この国に 「鉄道事故調査のノウハウの蓄積」 を期待するのは難しそうです。
  • 「事故調設立以前のアバウトな事故調査」 は、悪く言えば怠慢で不正確、良く言えば柔軟です。現在の都市鉄道に対するものと同じ基準で事故調査や安全対策を求められれば、平成初期の少なくないローカル路線は、その時点で廃止するか大きな設備投資をするかどうかの決断をせざるを得なかったでしょう。何せ、地方の廃線区間の踏切ひとつを復活させるのに何年も議論が必要なのが現状です。
  • 役所の裁量で何とかしてもらえたというのは、誤解を恐れずに言えば、ある意味で 「古き良き時代」 なのかも知れませんが、その代償の一つが尼崎事故なのかと思うと気が重くなります。
    今では一定基準を満たした事故は、運輸安全委員会が調査することになっているので、ローカル線であっても厳しく事故調査されるようになりました。一方で役所の中は未だ 「古き良き役人の時代」 のようで、運輸安全委員会の事務手続きには容認し難い行為があります。
  • 提出されると受け取らないといけない文書というのがあって、そういう規則にお構いなしに書類を突っぱねるというのが昔の役人のイメージでした。それを今もやっているのが運輸安全委員会です。何かしら対抗策があれば良いのですが。
  • 話をローカル線の事故に戻すと、この事故は事故調査委員会設立以前の 「運輸省による鉄道事故への対応」 についての興味深い事例ではないかと思います。ただ、ご多分に洩れず、このローカル線も存廃問題を抱えているので、ここでローカル線を特定することは控えておきます (もし廃止になってしまったら関連文書を公開する予定です)。
  • 関連省庁に於いては、厳格な事故の調査や原因究明とともに、ローカル線の安全対策への支援を望みたいところですが、お役人様の目はどちらを向いているのやら。というワケで、最後にちょっと気になるものを。
     

落札率100%! 電子複合機の年間保守費用、1台につき954万858円也

  • 運輸安全委員会は、入札公告とその結果を公表しています。委員会が公表したい訳ではなく、公表しないといけないことになっています。
  • で、気になるのが予定価格と契約金額が同じ、つまり落札率100%の案件がいくつもあることです。特に株式会社リコーとの電子複合機の保守契約について、1台の保守に年間680万円や950万円も掛かるなんて、どれほど凄い電子複合機なのか気になるところですが、問題は予定価格と契約金額。平成22年は689万9142円、平成23年は954万858円と、ともに数百万円の入札なのに、2年連続で十円以下の端数まで予定価格と契約金額がピッタリ同じです。
    ちなみに、平成22年に富士ゼロックスは、保守に加え電子複合機1台の賃貸付で105万714円 (落札率78.3%) で契約していますが、リコーと富士ゼロックスの電子複合機の保守作業にどれだけの違いがあるのかは不明です。
 
契約日契約相手方物品役務等の名称及び数量 入札区分予定価格契約金額落札率LINK (PDF)
平成22年4月1日 富士ゼロックス株式会社 電子複合機賃貸借1台一般競争入札 1,341,585円 1,050,714円 78.3% 告示結果
(保守、機材等一式含む)
平成22年4月1日株式会社リコー電子複合機1台保守一般競争入札6,899,142円6,899,142円100.0%告示結果
平成23年4月1日株式会社リコー電子複合機1台の保守一般競争入札9,540,858円9,540,858円100%告示結果
 
  • 当管理人は入札制度に詳しくないし、仕様書も見ていないのであまり強くは言えないのですが、入札告示を見ると、原則として随意契約には移行しないと記載してあります。随意契約に移行しない一般競争入札で、予定価格・契約金額ともに954万858円という落札率100%の案件がどのように発生したのか、些か気になるところです。

 
 

2011年04月

04月25日 事故から6年

  • 尼崎事故の発生から6年が経過しました。同時に、事故の発生した 「平成17年度」 の末から5年が経過しました。5年というのは文書管理の上で一つの節目であり、国の文書は年度単位で管理されます。
  • 事故の発生した平成17年度の末とは平成18年3月31日であり、保存期間が5年の文書は、平成18年3月31日から5年を経過した平成23年4月1日以降に順次廃棄されることになります。今後は、事故関連情報の収集が加速度的に困難となる見通しです。
  • 去る3月11日に発生した 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」 の被害の大きさには、ただただ唖然とするばかりで、107名の犠牲者を出した尼崎事故の被害も、思わず霞んでしまいがちになります。ともすれば、こちらに関心が移りそうになりますが、廃棄が迫る事故関連情報の収集に、何とかラストスパートをかけたいと思います。
  • 今回ここに記したい新情報も少しあったのですが、震災の影響で確認作業が遅れているため、また後日に掲載するつもりです。
 
 

2010年04月

04月25日 最近の調査より

事故調査委員会の収集文書リストを公開

  • 航空・鉄道事故調査委員会 (現・運輸安全委員会) が、JR西日本福知山線脱線事故の調査のために収集した文書のリストを入手しました。大量の文書がリスト化されていますが、ここにあるのが全てかと言うと、そうでもない気がします。この収集文書リストに掲載されている文書は、2017年6月に廃棄される予定となっています。
 

事故調査委員会、207系事故車両の違法改造の有無をチェックせず?

  • 尼崎事故は、速度超過 (オーバースピード) が原因で発生した列車脱線事故です。運転士が適正にブレーキを操作しなかったとする人的要因説が有力ですが、事故調査ではブレーキ装置の異常など物的要因についても調べられるのが当然ではないかと思います。ところが、どうも事故調査委員会は物的要因について、あまり調べていない可能性があるようです。
  • 平成3年(1991)5月14日に信楽線で発生した正面衝突事故では、信楽高原鐵道およびJR西日本の双方が、監督官庁に無断で信号システムを違法改造 (方向優先てこの設置等) したことが事故原因の一因とされています。信号システムの設置や改造には許認可が必要で、監督官庁へ提出された文書と現状を比較することで、違法改造の有無が判明します。
  • 尼崎事故で脱線した207系の違法改造の有無をチェックするには、鉄道事業法第13条に定める確認のための文書 (JR西日本が監督官庁へ提出した車両確認申請書や構造装置変更確認申請書や構造装置変更届出書、及び監督官庁が交付した確認書など) が必要です。しかし、事故調査委員会の保有文書を継承した運輸安全委員会は、これら文書を保有していないとしており、これは違法改造の有無をチェックしていないことを意味します。
  • 207系量産先行車の確認書(車両確認申請書) について、通常の手続きで保有していると考えられるのは、国土交通省およびJR西日本です。国土交通省は既に文書を廃棄したとしており、廃棄したのは最近5〜6年の間である可能性が高いです。つまり、尼崎事故 (平成17年) を挟んだ、平成16年(2004)から平成21年(2009)の間です。正確な廃棄年月日を記録した文書は無いとされていますが、これは疑問であり、調査を継続中です。国土交通省が廃棄し、運輸安全委員会も保有していないとなると、保有している可能性があるのはJR西日本のみとなります。JR西日本が保有する文書は、自身が提出した申請書や届出書の写し、および監督官庁から交付された確認書の正本であると考えられます。
  • 車両確認申請書以外の207系の確認書について、近畿運輸局が構造装置変更確認申請書および構造装置変更届出書のいくつかを現在も保有しており、この中にはブレーキ率変更に係るものが複数以上存在します。しかし、運輸安全委員会はこれらについても収集していないとしています。事故調査の基礎資料と考えられ、違法改造の有無のチェックに必要な207系の確認書について、なぜ事故調査委員会は収集しなかったのか、その理由は不明です。
  • 念のために記すと、現在のところ、違法改造があった可能性を示す情報は何もありません。しかし、他に明確な根拠の無い (日勤教育を一因とする人的要因説は推測でしかありません) 速度超過による脱線事故の事故調査では、違法改造の可能性を含めたブレーキ装置の調査が行われるべきであり、なぜそれが行われなかったのか疑問が残るところです。

廃棄される重要文書

  • 国土交通省は平成18年に組織変更を実施し、国土交通本省(霞ヶ関) と地方運輸局に鉄道安全監査官を設置しました。「鉄道安全監査官」とは公務員の職名ですが、課等(セクション) の名称でもあります。たぶん尼崎事故の影響もあって設置されたと思われ、平成18年度以降の鉄道事故に係る文書は比較的良く整備されているようです。
    一方、どさくさに紛れて平成17年度以前の文書は酷い扱いを受けているものがあり、とある地方運輸局の鉄道安全監査官では、平成17年度以前の文書が全てブラックボックス化されている有様です。
  • 尼崎事故に関連する文書を挙げると、事故速報という文書があります。これは、電話などによる事故の第一報などを記録した文書で、平成18年度以降のものは残っている(国土交通本省) 一方、平成17年度のものは、保存期限が一年だったことを理由に既に廃棄されています。尼崎事故の事故速報は、近畿運輸局および国土交通本省が保有していましたが、双方とも廃棄したとしています。つまり、尼崎事故が起きた直後にJR西日本が監督官庁へどのような報告をしたのかを記録した大事な文書を、既に捨ててしまっている訳です。
  • 重要文書たちは廃棄されたのか、それとも秘密裏に保有され続けているのか。一個人では、この辺りが調査の限界のようです。
 
 

2009年04月

04月25日 福知山線の動画を追加

  • 動画(Flash形式)を3本追加しました。記事の更新は滞っておりますが、情報収集は継続して行っています。
    ⇒動画掲載ページ
 

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尼崎事故とATS

Last-modified: 2017-04-27 (木) (421d)